DApps(Decentralized Applications)とは、ブロックチェーンを基盤とした分散型アプリケーションの総称で、DAppsのシステムはネットワーク上の多数のコンピューターが連携して動作、維持させています。
ひとまとめにDAppsと言っても、その多様性はまさに驚くべきものです。これらのアプリケーションは、中央集権的な枠組みに縛られない自由なプラットフォームを提供し、ゲーム、金融、不動産、芸術、さらには選挙など、あらゆる分野での新しい可能性を探求しています。
ここでは、DAppsについて基本的な概念を掘り下げ、簡単に解説していきます。
目次
DAppsの三つの特徴
まずはDAppsに欠かせない特徴を、大きく三つに分けて解説します。
中央管理者のいない分散型である
DAppsのシステムは、全てのトランザクションや情報をネットワークのノードに分散して実行される仕組みで、特定の管理者のサーバーではなく、ネットワーク上のノードに分散して動作します。
各ノードは台帳のコピーを保持し、変更はネットワーク全体の合意が得られた場合のみ実行されるため、透明性が高く、不正や改ざんが起きにくくなります。特定の管理者によるピラミッド型の構造ではないので、より公平性のあるプラットフォームとして活用することができます。
スマートコントラクトにより実行される
スマートコントラクト(Smart Contract)は、ブロックチェーン技術に基づく自動で実行可能なコードのことです。
この技術は近年では金融取引、不動産取引、投票、供給チェーン管理、ゲーム、NFT(非代替可能トークン)の発行など、さまざまな用途で利用されています。
ブロックチェーン上にデプロイされたスマートコントラクトは特定の条件が満たされた場合にのみ自動的に実行され、データの処理や取引記録等は常に多くの参加者によって監視された状態となります。これにより特定の管理者に頼らず、分散・自立してアプリケーションが管理される仕組みになっています。
スマートコントラクトは信頼性が高く、中間業者を排除するための重要な要素であり、DAppsの中核を形成しています。
ソースコードがブロックチェーン上に公開されている
DAppsのソースコードはブロックチェーン上にオープンソースとして公開されており、誰でも検証、開発への参加が可能です。コミュニティの協力によってプロジェクトは進行し、透明性と信頼性が高まります。全ての操作ログはブロックチェーンに永久に記録されており、ユーザーはソースコードを検証し、セキュリティの向上や新機能の提案に寄与できるため、オープンソースの特性はDAppsの魅力の一部となっています。
これらの特徴により、DAppsは中央集権的なアプリケーションとは異なり、サービスやプラットフォームの形成に新しいアプローチを提供しています。データや取引が分散化され、スマートコントラクトによって自動化され、オープンソースの性質が協力と革新を促進します。
DAppsの活用事例
様々な業界、用途で開発が進められているDAppsの有効的な活用事例の一部を紹介します。
DeFi
非中央集権型の金融サービス。管理者不在のため、手数料が安く、収益の還元性が高い点が特徴。ユーザー同士の直接取引なども可能です。銀行口座や信用スコアに依存する必要がありません。スマートコントラクトにより、取引や契約が信頼性の高い方法で実行され、透明性が向上します。
送金や預貯金の他、貸付、資産運用にもスマートコントラクトの技術は適しています。
非中央集権型取引所(DEX)
Decentralized Exchange(DEX)もDeFiの一種と捉えられます。これは名前の通り管理者のいない暗号資産取引所です。
DEXは中央集権的な取引所とは異なり、ユーザーが自分の資産を直接管理でき、取引において中間業者を必要としません。
さらにはDEXには上場の基準がなく、作成したトークンを独自の通貨として誰でも公開する事が可能で、資産の保管や取引においてより大きな制御権と自由を提供し、新しいデジタル資産の取引を促進します。
Play to Earnなどのゲーム
Play to Earn(プレイして稼ぐ)は、ゲームプレイを通じて暗号資産やデジタルアセットを獲得し、それらを現実世界での価値や収益に変換するゲームプレイモデルです。
このコンセプトでは、プレイヤーがゲーム内での活動や達成に報酬を得ることができ、その報酬はトークンやNFT(非代替可能トークン)などのデジタルアセットとして提供されます。これらのデジタルアセットは、ゲーム内での利用や外部市場での売買が可能で、一部のプレイヤーには実際の収入を生み出す機会を提供します。
保険
スマートコントラクトを使用した判断は透明性が高く、スピード感のあるサービスを提供できます。保険発生事例の読み込みから保険金の支払いまでをスマートコントラクトが自動で実行します。
優位性と解決すべき問題
デジタルアプリケーションの進化において、DAppsは中央集権的な枠組みに挑戦し、新たな可能性を切り拓いています。しかし、その魅力には明るい側面と課題が共存しています。DAppsのメリットと潜在的な問題について考えてみましょう。
DAppsの優位性
平等性と対検閲性
管理者不在、分散型で個人の属性も関係のないサービスは、より平等なコミュニティを形成します。
ネットワーク上にあるどの存在も、トランザクションやデータの公開、読み込みを阻止することはできません。中央管理者がいないので、不当な検閲や特定の人物、団体の恣意によるアカウントの凍結の心配もありません。
システムダウンに強い
中央管理的なシステムやアプリケーションではメインサーバーに障害が発生した場合、多くの損害が発生し、場合によってはデータの紛失等にもつながる恐れがありますが、DAppsのシステムはブロックチェーンによって紐づけられたすべてのサーバーを止めない限り動き続けます。
強固なセキュリティ
コントラクトをチェーン上に実体化させるためにはコントラクトアドレスのみを使用します。個人の情報を必要以上に開示する事もありません。
取り組むべき課題
メンテナンス性
スマートコントラクトの性質上、ブロックチェーン上に公開された後は、修正やメンテナンスが難しく、アップデートの際にも参加者の同意が必要なため、従来のウェブ開発よりも慎重さや多くのテスト工数が要求されます。
スケーラビリティの問題
DAppsでは利用者が増加するとトランザクションにかかる時間の増加や取引の停滞が起こる可能性があります。この問題に対処するために、多くの技術者が様々な取り組みを進めています。
サポート、ユーザビリティの問題
中央管理者不在ということは、全て自己責任となります。問題が発生した場合の解決は全て自分で行わなければなりません。DAppsの普及には多くのユーザー、参加者の意識とリテラシーの向上が必要となります。
次世代のプラットフォームとして
DAppsは未来のアプリケーションの姿を示しています。 これらの分散型アプリケーションは、中央権力に依存せず、セキュアで透明性が高く、自動化された取引を可能にします。ブロックチェーン技術を活用したDAppsは、個人や企業にデータの管理とプロセスの改善の機会を提供し、コミュニティ主導の発展性を含んだ新しいビジネスモデルの創造とデジタル経済の進化をけん引することでしょう。